感情が豊かな子どもを育てるための5つの方法

嬉しい・楽しい・悲しい・腹立たしい人間はいくつも感情を持っています。小さな子どもも自分の気持ちを伝えようと、小さい体を使って目一杯表現します。自分の気持ちを伝えるための豊かな感情や表現力は、とても成長過程でもとても重要なものです。今回は、子どもの感情表現を育むポイントについて紹介します。

人間には様々な感情がある

人間は、本来様々な感情表現をすることができる生き物です。生まれてからの様々な経験を通して、単純な感情をより細かく複雑に表現できるようになります。

生まれたばかりの0歳児は、「泣く」ことでママにオムツが汚れたりお腹が空いたりした不快感を伝えます。2歳児にもなれば、「これはイヤ!」「それはダメ!」といった、イヤイヤ期や魔の2歳児と呼ばれている時期を迎えます。これは、自己主張が強くなったり、自主性が高まったりする子どもの成長過程のひとつです。

このように、子どもの感情表現の発達は生きていく上でとても重要です。感情を上手く表現できないと、今すぐにではなく、中学生・高校生・大人と成長していく過程で反動が出てしまうケースもあります。

子どもの感情は思っているよりも早く成長している

生まれたばかりの赤ちゃんは、「興奮」の感情しか持っていないと言われています。しばらくすると、オムツが汚れた!お腹が空いた!などの「不快」を覚え、生後3ヶ月ごろになると欲求が満たされたときの「快」の感情が出てきます。さらに成長してくると、人見知りや後追いなどが始まりますが、これは「恐れ」の感情が育ってきている証拠です。

このように、初めは少なかった感情表現はどんどん枝分かれしながら、より細かく、そして複雑に発達していくのです。人間の基本的な感情と言われている「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「驚き」「恐れ」の6つの感情は、早くて生後半年頃には全て出てくると言われています。大人が思っているよりもずっと早い段階で、子どもの感情は芽生えてきているのです。

感情は経験を積んで学習していく

新しい感情は、成長の過程と共に様々な経験を通して覚えていくものです。子どもの感情の発達を促すためには、親子関係が非常に重要になってきます。一緒に遊んだり、話をしたりすることで、思い出や感情を一緒に共有することができる関係を築いていきましょう。大切なのはコミュニケーションが一方通行ではなく、相互的になることです。

子どもの感情を表現を豊かにする5つのポイント

1|親が感情を素直に表現する

まずは、親が子どもの前で素直に自己表現をすることが大切です。親の表情や表現を見ながら、子どもは少しずつ学習し、他人の気持ちを考えたり気づいたりできるようになります。子どもは親が思っているよりも、親の表情をよく見て捉えているものです。

親が子どもの前で自己表現することは大切ですが、子どもの前で特定の人を否定したり、悪口を言ったりすることは控えましょう。

2|子どもとしっかり会話をする

子どもが嬉しそうにしていたり、悲しそうにしていたりしたら、まずはその感情を読み取る努力をしましょう。子どもと一緒にいる時間はなるべくアンテナをしっかりと張り、子どもが発している感情をキャッチしてあげることが大切です。様子を見ながら声をかけたり話をしたりすることで、親子のコミュニケーションが取れますし、何よりも子どもが安心します。

また、会話を通して、子どもが自分の中にある感情について知るきっかけ作りをしてあげることができます。この気持ちが、「嬉しい」「悲しい」ことなんだなということに気づくことができるのです。

3|感情を目一杯表現させる

好きなものは好き!という気持ち大切にし、大人の都合で制限をかけないことも必要です。時と場合によっては、毎回というわけにはいきませんが、好きなことにとことん向かい合える時間も作ってあげましょう。

また、小さいうちは感情を我慢させず、素直に表現させてあげることも大切です。特に、泣くことや怒ることなど、負の感情を我慢させてしまうとするケースが多いですが、そのような葛藤も成長には必要不可欠です。

4|子どもと共感する

楽しいことや嬉しいこと、感動などを一緒に体験し、共有しましょう。その後の会話でも、今日はこんなことをして楽しかったよね!など、コミュニケーションを取ることができます。特に、テレビなどは、見るだけでこちから相手側に何かを発することができないため、コミュニケーションが一方通行になってしまいます。しかし、パパやママが一緒に見たり歌ったり踊ったりすることで、共感という形で相互的なコミュニケーションを取ることができるのです。

5|大人の価値観を子どもに強要しない

親が特定の感情表現を嫌うと、子どもは親に嫌われたくないのでその感情をセーブするようになります。結果として、子どもが自分の感情を上手く表現できない原因となってしまいます。家庭内で過度に我慢させすぎてしまうことは、反対に家庭の外で感情が爆発する要因にもなりますので注意しましょう。

日々の親子関係の積み重ねが子どもの感情を育てていく

いかがでしたか?子どもの感情表現には、親と子の関わりがとても重要です。できごとを共有したり、色々な話をしたりときにはぶつかり合うこともあるでしょう。日頃のコミュニケーションは、思春期を迎えたときに「自分の持っている感情が親に受け入れてもらえる」という、潜在的な安心感にも繋がっていきます。

親が自分のことを見てくれていると分かれば、子どもは色々なことを親に伝えようとアピールをしてきます。まずは、しっかりとお子さんと向き合う時間を持つこと。そして、お子さんからの色々な発信をキャッチして、それに対してしっかりと返してあげること。日々のちょっとしたコミュニケーションが、お子さんの表現力の基盤となっていきます。