国際結婚した夫婦が必ず悩む4つの子育て問題とは?

国際結婚をした夫婦に子供ができると、日本人同士では出てこないような悩みや問題が出てきます。大切な子供のことだから、お互いに妥協できず喧嘩に発展することもあるでしょう。そんな国際恋愛ならではの子育て問題をご紹介します。

1|言語をどうするか

国際結婚夫婦の場合、当然両親の第一言語が違っています。現在住んでいる国によって、自然に覚える言語というのはおのずと決まってくるでしょう。ハーフの子供を育てていると、「自然とバイリンガルになるから羨ましい」と思っている人がいるかもしれませんが、それは間違いです。親が意識してバイリンガルになるように育てなければ、なかなか自然に覚えるというのは難しいのです。ですから実際、両親の国籍や言語が違っても、子供はどちらか一つの言語しか喋れない、ということがあるのですね。

例えば日本に在住している国際結婚カップルの子供なら、日本語は放っておいても覚えていくでしょう。けれど、例えば父親がアメリカ人で英語が母国語、という場合には、意識して家では英語を話す必要があります。外国人の夫が日本語を話せるからと言って、家でもずっと日本語で話していれば、当然ですが子供が自然に英語を覚えることはありません。夫婦できちんと話し合い、一度決めたルールは、しっかり守っていく必要があります。夫婦だけの場合は楽な言語で喋っていて良かったですが、子供をバイリンガルにするためには、根気よく両方を教えていくことが必要です。一般的に、1言語だけ覚える子供よりバイリンガルの子供の言葉の習得には時間がかかるとされています。焦らず教えていくことが大切なのです。

2|名付けをどうするか

国際結婚で子供ができると、どちらの国の名前にするか、ということが問題になります。子供が一生使っていく名前ですから、とても悩む問題です。加えて国際結婚の場合、将来どちらの国に住んでも不自由しないように、と工夫して考えることが必要でしょう。また、国際結婚の子供は、まだ小さいうちから日本と外国を行き来することが多く、パスポートは必須です。日本の名前をつけたとしても、ローマ字表記ではどうか、英語にした時呼びやすいかなど、様々な観点からじっくり考える必要があります。

3|食事や生活習慣

日本でも生まれて最初の1ヶ月は外に出さない・添い寝するなどの子供に関する習慣があるように、外国でも子供にまつわるそれぞれの習慣があります。その時に夫婦で考え方が違っていると、しばしば問題になることもあるでしょう。欧米では子供に自立心を持たせるため、早い段階から一人部屋で赤ちゃんを寝かせるという習慣があります。けれど、実際に日本人の母がそれをできるかどうかは難しいですよね。夜中に何かあったらどうするか、まだ小さいのに一人で寝かせるなんて可哀想、と私達なら思ってしまいます。

食事についても、子供に自分の故郷の味を知ってほしいという思いがあったり、宗教上食べられないものがあったりと、色々です。国によって離乳食の常識も違っており、食べさせてはいけない物の常識も違います。そこで義理の両親が出てきてアドバイスするとなると、さらに問題が複雑化しそうです。お互いの理想をすべて叶えるというのは難しいので、どちらかが妥協することが必要になりますが、大切な子供のこととなると、どちらも譲りたくないという気持ちになるのも当然です。なるべく柔軟性を持って、型にはめすぎない方が良いでしょう。

4|教育の考え方の違い

子供に対する教育の考え方についても、外国と日本ではだいぶ違っています。周囲の人への態度や敬語の使い方など、日本だけのことをとっても、教えることはたくさんありますよね。勉強をしっかりしてほしい、個性を伸ばしてほしいなど、子供に対する希望はたくさんあっても、当然思い通りにはいきません。またそんな時、夫婦で教育に関する考え方が違っていると大変です。 日本は学歴を非常に重視する国なので、やはり子供には勉強ができて欲しいと思うでしょう。もちろん筆者の暮らしているイギリスでもそれはありますが、子供には個性を伸ばしてほしいというのが、もっと大きな柱になっているように感じます。歌が好き、ダンスが好き、絵を描くことが好きといった個性があるなら、その道へ進めば良いという考えを持つ人が日本より多いです。勉強が嫌いな子供でも、他に得意なことがあれば良いのですね。 あまり周囲を気にすることなく、自分の子は自分の子と割り切って育てることが、ストレスを減らす鍵だと考えています。

まとめ

いかがでしたか?国際結婚はただでさえ大変なことが多いですが、子供のこととなるとさらに複雑な問題がその都度出てきそうですね。親としては色々なことを望んでしまいますが、子供が幸せであればそれで良い、と割り切ることができれば、楽になると思います。なかなか相容れないことに妥協点を見つけていくということは、国際結婚していく上で培われる一つの能力ではないでしょうか。

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首藤 加奈子
イギリス在住のフリーランスライター。イギリス留学を経てイギリス人と結婚、出産。国際結婚や恋愛、美容について執筆中。ビールが大好きで趣味はパブ巡り。